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୨୧
学校より俄然おうち派のわたしにとって、あまりにも、あっというまの休息だった。
そんな5月の連休が明け、きょうは早くも遠足というわけで、広島へ向かっている。
普段は偽っているけれど、実は流暢な日本語を話す久遠くんは、イギリスを主な住み家とはしているものの、やはりたびたび我が国には訪れているようで、新幹線やバスといった乗り物には、さほど驚いていない様子だった。
「なあ。イギリスって、マジにロンドンバスが走ってんの?」
「うん、走ってるよ」
「赤い、二階建てのやつ?」
「あはは、そうそう、赤い二階建てのやつ。よく知ってるね」
それでも久遠くんの周りには、移動中もずっと、お祭りみたいな人だかりができていた。
わたしはというと、朝香ちゃんと隣どうしの席に座って、おしゃべりしながら過ごした。
そうして、数時間あまり。
見事なまでの遠足びより、
雲ひとつない青空の下で、座りっぱなしだった体をほぐすため、ぐーんと伸びをする。
このイベントに、決まったルートや、班行動という拘束はない。
駅に降り立ったいまこの瞬間から、帰りの新幹線の時刻まで、完全な自由行動である。
「ななちゃん、行こう!」
「木原さん、行こう!」
事前に約束していたとはいえ、いきなり左手を朝香ちゃんに、右手を久遠くんに、がっちりホールドされて、さすがにどぎまぎせずにいられなかった。
両手に、美女と、イケメン。
そして、その真ん中に居座っている、名前さえ持たないわたし。
周りからの視線が痛いのは無視できないけれど、そういうわけで、遠足は無事に(?)スタートを切ったのだった。
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学校より俄然おうち派のわたしにとって、あまりにも、あっというまの休息だった。
そんな5月の連休が明け、きょうは早くも遠足というわけで、広島へ向かっている。
普段は偽っているけれど、実は流暢な日本語を話す久遠くんは、イギリスを主な住み家とはしているものの、やはりたびたび我が国には訪れているようで、新幹線やバスといった乗り物には、さほど驚いていない様子だった。
「なあ。イギリスって、マジにロンドンバスが走ってんの?」
「うん、走ってるよ」
「赤い、二階建てのやつ?」
「あはは、そうそう、赤い二階建てのやつ。よく知ってるね」
それでも久遠くんの周りには、移動中もずっと、お祭りみたいな人だかりができていた。
わたしはというと、朝香ちゃんと隣どうしの席に座って、おしゃべりしながら過ごした。
そうして、数時間あまり。
見事なまでの遠足びより、
雲ひとつない青空の下で、座りっぱなしだった体をほぐすため、ぐーんと伸びをする。
このイベントに、決まったルートや、班行動という拘束はない。
駅に降り立ったいまこの瞬間から、帰りの新幹線の時刻まで、完全な自由行動である。
「ななちゃん、行こう!」
「木原さん、行こう!」
事前に約束していたとはいえ、いきなり左手を朝香ちゃんに、右手を久遠くんに、がっちりホールドされて、さすがにどぎまぎせずにいられなかった。
両手に、美女と、イケメン。
そして、その真ん中に居座っている、名前さえ持たないわたし。
周りからの視線が痛いのは無視できないけれど、そういうわけで、遠足は無事に(?)スタートを切ったのだった。



