ドアのむこうから現れたのは、わたしの持てる語彙力などではとても表現できないほどの、美少女だった。
陶器のように、きめ細かい、真白の肌。
長い黒髪が、まるで流水のごとく、その頬をさらりと撫でていく。
つややかに濡れている、ぽってりとした唇。
繊細なレース素材のワンピースからのぞく手足は、日本人離れしていて、羨ましいほどに細く、長かった。
「いらっしゃいませ、こんばんは」
梓ちゃんが声をかけると、彼女は濡れた瞳をキュッとすぼめて、天使のように微笑んだのだった。
この世に、こんなにも美しい人が、本当に存在しているの?
とてもじゃないけど、信じられない。
生きている人間だとは、到底思えない。
――お人形さん、みたい。
一瞬たりとも目が離せず、吸いこまれるみたいに見入ってしまっていると、視線に気づいた彼女がふいにこちらを向き、しっかりと目線が絡み合った。
まるで、ガラス玉。
ベージュとグレーを混ぜあわせたような、なんとも言えない素敵なニュアンスの色をしている瞳は、わたしの持つそれよりも、数段は色素が薄く見える。



