「梓ちゃん、久しぶり。あのね、たまたま柊くんと帰りが同じになって、梓ちゃんのとこ行くって言うから、思わずついてきちゃった」
「えー、来てくれて嬉しいよう。会いたかったよう。きょうもきょうとて、お人形さんみたいねえ、ななちゃん、ほんっとかわいいわあ」
あれよあれよというまに、いい匂いのする体に、すっぽり包みこまれた。
梓ちゃんと再会すると、いつも決まって、これをされる。
強めのハグと、何往復もの頬ずり。
「姉ちゃん、毎度セクハラめいたことすんの、マジでやめろって。なな、めちゃくちゃ困ってるから」
「べつにいいじゃん。男クサイ弟では補給できない尊いものを、私はいつも、ななちゃんから貰ってるんだよ」
それにななちゃんも困ってないよねえ、
と、甘い声で聞かれる。
でも本当に、これまでに困ったことは一度もなかったので、素直にうなずいた。



