そして、情けないことに、同じくらいわたしも困惑していた。
こんな、ちょっとした騒動をすぐ後ろの席に背負ったまま、堂々とお弁当を広げるガッツはないし、そもそも久遠くんとの約束(?)を、どさくさに紛れて無視していいのかもわからない。
そして、なにより、もっと前提にある問題として、久遠くんと一緒にお昼を食べないとなると、わたしはひとりぼっちのランチタイムを過ごすことになるのかも、と気づいてしまったのだ。
あちこちに仲良しグールプが成立している教室の真ん中で、ひとり黙々とお弁当を食べきる度胸など、わたしはきっと持ち合わせていないと思う。
抱えている問題は、自分が思う以上に山積みなのかもしれない。
いったい何から手をつければいいのやら。
おろおろし、困惑していると、群がる制服たちの隙間から、きらりと光る金色が見えた。
久遠くんの、綺麗な髪。
あまりの美しさにうっかり目を奪われているうち、ばちり、と視線が絡みあう。
「……あ、」
なんとかしろ、
と、無言の圧をかけられていることを、一瞬で理解した。
久遠くんは心の底から困り果てているようだった。
だけど、彼が持つ天性の人当たりの良さが仇となり、わたし以外の誰も、そのことに気づいていなさそうだ。



