「……あと、お昼も、誘ってくれて、ちょっと嬉しかった、です。ありがとう」
久遠くんにとっては、誘ったつもりなんか、毛頭ないのだろう。
“囲み取材がめんどい”から、“使い勝手のよさそう”なわたしを、利用しただけのこと。
それでも、やっぱり、ひとりでいるよりぜんぜんマシだったなぁ、と思う。
「なに言ってんの?」
予想どおり、久遠くんは、少しからかうような目をわたしに向けてきた。
「つきあってもらってんのは、俺のほうだろ」
だけど、まったく予想と違うことを言われたので、ちょっとびっくりしてしまった。
「てことで、あしたからも、昼はここで」
「ええっ!?」
「かわいい弁当作ってきてよ」
「え……それは、つまり、久遠くんの分も、ということで……?」
「なわけねーじゃん。てか、俺、昼はサンドイッチって決めてるから」
そんな、さも当たり前、みたいに言われましても。
「なあ。誘ってもらって、嬉しかったんだろ?」
にやり、と。
あやしく笑った久遠くんが、持っているサンドイッチごと、右手でわたしを指さした。
「あしたからも一緒に昼食おーって、誘ってんだよ、きなこちゃん」
完全にやってしまった。
もしかしなくとも、わたしはさっき、盛大な墓穴を掘ったのかもしれない。



