「――朝香ちゃん、頑張ってね!」
可憐な手を握り、そう伝えたとたん、勢いよく抱きつかれた。
「ななちゃんっ」
「わわっ」
ミスコンのアピールタイムは順調に進んでおり、いよいよ次は、朝香ちゃんの出番だ。
彩芭くんはこのあとすぐの6番手だから、諸々の準備のために駆けつけられず、わたしだけで、舞台袖まで激励しに来ている。
「ななちゃんがいてくれて、本当に、本当に、よかった。本当に、ありがとう」
そのせりふ、もう何度目になるだろう。
それにしても、本番直前で緊張がマックスなのか、いつもよりずっと噛みしめるような言い方だし、わたしを抱きしめる細い両腕にも、苦しいくらいに力がこもっている。
「あの……朝香ちゃん、大丈夫……?」
「うん……。あのね、聞いてくれる? 気負わないように、力抜いて楽しもう!って思ってたけど、やっぱり、このステージに出させてもらうからには、全身全霊で頑張ってみようかなって、思い直したんだ」
ふっと腕が緩んだかと思えば、すぐ目の前に、とても真剣な表情を浮かべた、美しい顔が迫っていた。
「それでね? もし今回のミスコンで優勝できたら、久遠くんに告白しようかなぁ……と、思ってて」
「え……」



