キャハハ、と楽しそうに弾んだ笑い声を聞きながら、こちらも思わず、力が抜けたような笑いがこぼれた。
ドアにかけていた手が、重力に負けて、へにゃりと落ちていく。
たぶん、けっこう心無いことを言われた気がするのだけど、自分でもびっくりするほど、ぜんぜん傷ついていないのが、不思議だった。
むしろ、このまま何食わぬ顔で出て行って、激しく同意したいとさえ思うくらい。
べつに、自分を否定したり、卑屈になったりして、こんなふうに思っているわけじゃない。
ただ冷静に、客観的に、プラスでもマイナスでもない現実を、ありのままの事実として、受け止めているだけだ。
誰に何を言われたっていいのだと、生まれてはじめて、心の底から思った。
だって、わたしには、彩芭くんがいる。
朝香ちゃんも、柊くんもいる。
あまりよく知らない人から投げつけられる、否定の言葉より、自分の大切だと思う人から受け取る、肯定の言葉のほうが、うんと強い力を秘めているのだということを、わたしはもうちゃんと知っているのだと、体感した。
だから、わたしは、大丈夫。
うん、大丈夫だ。



