聞きながら、すごく耳が痛かったし、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
たしかに、今朝は、彩芭くんも、朝香ちゃんも、わたしも、クラスのほうの手伝いはなにひとつできていない。
準備期間まで遡っても、思うように手伝えない場面が、いくつかあったと思う。
せっかく居合わせたのだから、出ていって、謝ろう。
図らずも、盗み聞きという形になってしまったし、さすがにちょっと怖くて、足がすくむけど。
でも、とても、これを聞かなかったふりはできない。
わたしが、3人分のごめんなさいと、ありがとうを、しっかり伝えておこう。
「まあ、うちのクラスは、朝香ちゃんだけでよかったよね」
しかし、ドアに手をかけた瞬間、そんな言葉が飛んできたので、どうにも怯んでしまった。
「え、そう? ひとりだけ選ぶとしたら、あたしは久遠くんかなぁ。転校生・クオーター・男の子っていう最高の三拍子が揃ってて、話題性も充分あるし、なにより、女装姿、朝香ちゃんに負けずとも劣らないくらい、メチャクチャかわいくない?」
「あー、たしかに。転校してきたとき、クオーターなだけあって綺麗な男の子だなぁと思ったけど、久遠くんのポテンシャル、マジでやばいわ。最初はびっくりしたけど、そこらへんの女の子なんて目にならないもんね。あたし、女としての自信失いそうになったもん」
「アンタは比較対象にすらならないから! まあ、なんにせよ、どっちかだよね。朝香ちゃんか、久遠くんか」
「木原さんとか、ウケ狙いでしかないでしょ。いや誰?って感じじゃん」



