午後から始まるミスコン投票会にむけ、午前中は、体育館のステージにて、各候補者によるアピールタイムなるものがある。
出演の順番に、学年やクラスは関係がなく、完全なランダムだ。
先週おこなわれた抽選の結果、エントリーされた15人のうち、朝香ちゃんは3番目、彩芭くんは6番目、そしてわたしはなんと、大トリの15番目を務めることとなった。
ここまできたら、もはやなんでもいい気もするけど、やっぱりいざそうだと考えるたびに、ちょっと吐きそうになる。
やがて、無事に文化祭のオープニングアクトも終わり、ミスコンの準備が始まろうとしているところで、スクバのなかにスマホを忘れていることに気がついた。
一緒にいた彩芭くんと、朝香ちゃんにことわって、一度ひとりで教室に戻ることにする。
「――てかさぁ、ほんと、勘弁してほしいよね」
うちのクラスは教室を使わず、正門付近で屋台をかまえるため、中には誰もいないだろうと思っていた。
それなのに、誰かの話し声が聞こえてきたので、なんとなく足が止まる。
「準備に3人参加してないって、けっこうデカくない?」
「うん、ほんとキツい。来年から、ミスコンの候補者は各クラスから最大ひとりずつ、みたいな制度にしてほしいよね」
「ひとりも出ないクラスだってあるわけだもんねぇ。そう思うとずるいよね。労力の分散化してくれよって」
どうやら、クラスメートの女の子ふたりが、文化祭準備についての会話をしているようだった。
木製の薄い扉を隔てているだけなので、そうしたくなくとも、一言一句をはっきりと拾ってしまう。



