美少女どうしが織りなす会話というのは、視覚にも、聴覚にも、心地がいいものだ。
どうやら、ふたりとも今朝は早くに登校してきていたようで、一緒にヘアメイクの準備をしたらしい。
その間にもいろんな話をしたのか、ついきのうと比べても、なんだか格段に仲良くなっている気がする。
朝香ちゃんは、いつもの、恋しているとき独特の緊張みたいなものが見えず、すごく自然体でいるし、彩芭くんのほうも、しゃべり方なんか、かなり素に近い感じがした。
なんというのが妥当なのか。
とにかく、とても、尊い光景だ。
いま、この瞬間、地球上で最も美しいパノラマは、確実に、ふたりのいるこの場所だろう。
そんな貴重なものを、すぐ傍で見られていることを、奇跡みたいに思う。
というか、たぶん、本当に奇跡なのだと思う。
他人事のように、仲睦まじいふたりの様子にぼけっと見とれていると、そのうちのひとりが、突然こちらをくるりとふり向いた。
朝香ちゃんだ。
「そうだ、ななちゃん、着替えはこれから?」
「あっ、うん、更衣室、いまから行こうと思ってて……」
「それなら、わたしも一緒に行くよ」
「え、でも、朝香ちゃんは、もう着替えまで終わってるんじゃ」
「いいの。わたしもななちゃんの準備、手伝いたいの」
そういうわけで、わたしは、今度は彩芭くんから朝香ちゃんへと引き渡され、女子更衣室へ向かうことになったのだった。



