「よしっ、ヘアセットはできたよ。メイクのほうは、どう? 大丈夫そう?」
「あ……うん。たぶん、できた、と思う」
わたしは暖色の似合う肌色だと、彩芭くんがアドバイスをくれたので、アイシャドウも、チークも、全部をコーラル系のピンクでまとめている。
最後、くちびるに載せたのも、彼から貰った色のリップスティックだ。
「うん、いい感じじゃん」
いつもより、ほんのりと華美になった顔の隣に、グリーンのアイシャドウを載せた美少女が、ぴったり顔を近づけて並んでくる。
そして、彼女はご機嫌そうに、鏡のなかのわたしに問いかけた。
「自分で見て、どう? かわいいっしょ?」
迷ったけれど、控えめに、一度だけ、うなずいた。
彩芭くんは、過剰な謙遜を良しとしない文化で生まれ育った人だから。
それに、このメイクのハウツーを教えてくれた本人の前で、それを否定するというのは、どうにも失礼な気がして。



