「なにを持ってきてくれたんですか?」
「彼女です。ぼくと同じクラスの、木原なな子さん」
「おーっと……なるほどですね……」
あくまで、なにかモノを持ってこなければならないはずの“借り物競争”で、人間を連れてこられているのだから、そんな反応になるのも仕方がない。
司会をしている3年生の先輩は、少し首を傾げて笑いつつ、彩芭くんが握っていた用紙を受け取った。
「では、お題を確認させていただきます」
そういえば、なにが書いてあるのか、結局わたしも知らないままだ。
なぜ、いま自分がこの場所にいるのか、さっぱりわからなくて、どんどん泣きたくなってくる。
早くお題を教えてほしいけど、一生知りたくないような気もする。
いったい、それに、何と書いてあるの……。
「……あー、なるほどですね。久遠くんは、お題を見て、これだ!と思ったわけですね」
「もちろん。というか、これ以外になかったです」



