そんなわたしの懸念などよそに、その後もふたりの競り合いは、なにかと続いた。
障害物競走、大玉転がし、
完全な団体戦のはずの、玉入れまでも。
柊くんと彩芭くんは妙にバチバチで、その様子は、さながら小学生の男の子のようで、朝香ちゃんはずっとおもしろがって見ていたけど、わたしはもうなんだか、とにかく気が気じゃなかった。
そして、ほとんどエキシビションマッチみたいな、借り物競争のとき。
これにも出場していた柊くんと彩芭くんは、案の定、スタートした瞬間に張りあいながら、猛ダッシュでお題の入ったボックスに向かっていった。
息をつくまもなく、それぞれ自分が引き当てたお題に、真剣に目を落としている。
数秒後、先に顔を上げたのは、彩芭くんのほうだった。
なにかを探すようにきょろきょろとしている。
何と書いてあったんだろう……
と、不思議に思っていたら、いきなりばちんと目が合い、そのとたん、彩芭くんはものすごく嬉しそうに笑ったのだった。
「えっ? ななちゃん、なんか、久遠くん、こっち向かってきてない?」
「やっぱりそう思う……? わたしもそんな気がしてるんだよね……」
選抜リレーに出るだけあって、さすがに足が速い。
グラウンドの真ん中から、応援席にいたわたしたちの元へ、あっというまにやって来た彩芭くんは、ひとつも迷うことなく、まっすぐ、こちらへ手を差し出した。



