「ていうか、連れてる女の子って、彼女だと思う?」
「ええ? あんな美形が、あんな地味な子、相手にするかなぁ」
「だよね。ちょっと微妙じゃない? 釣り合ってないし」
「ねえ、声デカイよ、聞こえるって」
いっきに、かあっ、と顔が熱くなった。
咄嗟にうつむいたら、耳にかけていた髪がはらはらと落ちてきて、まる見えだったであろう横顔を隠してくれたことを、とても幸いに感じる。
本当に、恥ずかしくて、いたたまれない。
いますぐ帰りたいけど、うまく体も動かないし、このタイミングで立ち上がる勇気も持てないから、できれば、この場ですっかり消えて、跡形もなくなってしまいたい。
なにが、デートなんだろう。
どうして、彩芭くんは、わたしなんかを誘って、それをしようと思ったのだろう。
からかわれている。
おもしろがられている。
そんなことは、よくわかっている。
だけど、こんなやつを隣に連れていて、彩芭くんは、恥ずかしいと思わないのかな。
一緒にいる人間の価値によって、自分のそれまで下げてしまうかもしれないことを、あそこまで美しく生まれてきた存在というのは、ひょっとして、想像さえしないのだろうか。



