「れる」


気付くともう放課後で文化祭の話が終わってから眠っていたらしい。


「…ん」


「くすっ……はよ」


艶やかな黒髪を揺らすきっとこの学校で一番綺麗な彼はそう笑って私の手を握る。

「帰ろ」

「…うん」

二人で手を繋いで帰ってるとやっぱりみんなから見られるわけで。


周りは騒ぎながら頬を染めている。

あれから私と雪、桜とあおが付き合ったという噂は瞬く間に広がった。


モテる雪と“付き合っている関係”の私は

きっと女の子達からいじめられたり、目をつけられたりするのだと思ってたけど全然そんなことはなくてビックリしてしまった。