誰も気付かない。

誰も気付いてくれない。


迷子になった私の気持ち。


それを簡単に見つけて

手を差し伸べてくれた彼。


さらさら艶やかな黒髪を風に靡かせ

真っ黒な瞳で私を見つめる。

私の頬に触れる大きな手は冷たくて
とても、温かい。


不意に見せる笑顔。

優しい顔。


耳に光る漆黒のピアス。


彼から紡がれる優しい言葉。


『一人になんかしない』

嬉しくて、涙が溢れた。