「辛くなったら、来い」 彼は私の髪を撫でる。 「俺がれるを笑顔にしてやる」 近寄り難い人なんだって思ってた。 あまり笑わないし、話さないし。 友達といてもひとりでいる感じ。 でも、この人… きっと、誰より優しい。 きっと、私に気付いてくれる。 「れる」 「俺はお前を一人になんかしねぇから」 そう言った彼の真っ黒な瞳を見つめて 私はひとつ、涙を落とした。