「ごめんね…ありがとう」
そう言うと彼は無表情で私の頭を撫でた。
本当に、綺麗な人……
「お前さ…わざと?」
え?
「あいつら応援してんの…?」
あ………
コクリと頷けば君は顔をしかめる。
「お前は蒼が好きなんじゃねぇの」
え、
「屋上から、わかってた…」
な、んで。
気付く人なんていなかった。
私の気持ちを、見てくれる人なんて。
「好きだよ、大好きだよ……っ」
次から次に出てくる涙を彼は悲しそうに拭ってくれる。
「……お前が選ぶんなら、俺は止めない」
「でも、」
でも……?
「辛くなったら、俺んとこ来いよ」
さらさら黒髪を揺らしてその真っ黒な瞳で私を見つめるから、吸い込まれそうで。
「……はい」
そう言った。


