それに対して、私は目を伏せた。 そうだった。 何で、忘れていたんだろう。 『雪は好きな人がいるの…?』 『いるよ…』 雪には、好きな人がいるのに。 さっきまで流していた涙の味が変わって、温かかった涙も冷たくなったように感じた。 どうして、忘れていたんだろう。 雪たちはスポットライトを浴びながらキラキラしていて、眩しくて…遠くて。 あんなに遠い人だったんだな。 なのにどうして、そばにいてくれることが当たり前だと思っていたんだろう。 いつもそうだ。