暗闇に慣れた目で見えるのは雪の少し拗ねたような表情だった。
「…彼女、が誰かに抱きつかれるのは、抵抗あるって言うか…すみません」
真面目におばけ役の人に謝っている雪にくすくすと笑ってしまう。
「笑ってんなよ…」
弱い光のライトで雪を照らすと頬が染まっていた。
くしゃっと乱された髪を整える私にはもう恐怖心はなくて、彼がおばけ役の人にヤキモチを焼いてくれたのかなと思うと嬉しくなる。
「ヤキモチ…?」
「うるせ」
雪を見つめながら尋ねた疑問は、彼の照れ隠しの言葉と裏腹に隠されてない染まった頬でわかった気がした。


