人と関わるのは嫌だったんだけど、

やっぱり一度触れてしまった温もりは簡単には手放せなくて、気付けば桜とは親友と呼べる仲になっていた。


「はぁー、ずっとこの気温が続けばいいのに」

そううなだれる彼女を見て、つい最近までの夏のことを思い出す。


『あぁ~!暑い!!蝉うるっさい!』

『夏のバカ!溶ける~!!!』


そう駄々をこねる桜を愛しそうに見つめる男子と鬱陶しくて耳を塞ぐ私。

『桜、暑苦しい………』


私がそう呟けば彼女は、

『うぅー、れるがいつも以上に冷たい…』

しゅんとしおらしくなる。


『くすっ、暑いからちょうどいいでしょ?』

私がそう微笑むと桜は
『れるが笑った!可愛いぃ~!!!』

と抱きついてきた。