「れるが、本当に大好きだった」
彼の過去形は、嘘か本当かはわからないけれど。
彼の閉じた目から流れる何粒もの涙は優しくて、眩しかった。
「ありがと、あお」
溢れてくるものを抑えて必死に作った笑顔。
「れる」
もうスカートを握りしめていなかった手を引いてふわりと抱きしめるあお。
まるで壊れ物を扱うかのように優しく優しく抱きしめるから、私もそっと背中に腕を回した。
あぁ、この温かさも感覚も…
もう、本当に最後なんだろう。
「あおのこと、好きになってよかった」
彼の腕の中で、左目から零れた涙は頬を伝って床へ落ちていく。


