あおのトーク画面を閉じてきゅっとケータイを握りしめる。

小さく息を吐いて、伏せた瞼の裏に浮かぶ綺麗なあの人の横顔。


冷たくて、それでも温かな彼の存在がこんなにも大きくなるなんて、彼に初めて会った頃の私には予想もできなかった。


左手に持ったケータイを右手の人差し指で操作する。

トントントンとタップして【会いたい】と何度も打ってはバツ印を押して消した。


何かあると、あの人に今すぐにでも会って抱きつきたいと願っている自分に心底驚いて落胆する。


甘やかすから、すっかり君がいないとダメな人間になってしまったよ。


雪。