少しの間沈黙が流れたけど、全然気まずいとかはなくて。

その沈黙さえも、心地よかった。


「なぁ…れる」

『…なぁに?』

俺が話そうとすると優しく「なぁに?」と尋ねるれるの声、けっこう好きだな。

「……いや、呼んだだけ」

『ふふ、そっか』

いつもよりも近くで聞こえる彼女の声が温かくて、目を伏せた。


『お風呂呼ばれたから、切るね…?』

「ん、逆上せんなよ?」

『うん』


「ちゃんと、髪乾かしてな?」

『ふふ、うん』


嬉しそうに笑ったれるは、俺の名を呼ぶ。

『雪』

「…ん?」