「れる」 「は、はい」 その芯の通った声に、ついかしこまってしまう。 雪は私の両手を取ってきゅっと握りしめた。 「…」 少しの沈黙が、長い時間に感じる。 雪の黒髪がオレンジの光に透けて少し茶色に見える。 風が吹いて雪の左耳に掛かった髪の毛が靡いて、 その長い指で垂れた横髪をもう一度耳に掛ける仕草がとてつもなく綺麗だった。 雪、こういう真剣な顔も綺麗なんだなぁ。 真っ黒な瞳を吸い込まれるようにじっと見つめる。