「なぁ、れる」 「なぁに…?」 いつもより少し低い雪の声。 「……俺、踏み込んでいいか…?」 「え?」 ぎゅっと力が入った雪の腕。 「れるは、何を抱えてる?」 「…知りたい、れるをもっとわかりたい」 「れるの、笑顔の理由になりたい」 その言葉を聞いた瞬間、無意識に涙が零れた。