「そろそろ帰るな…?」 「あ、うん」 離れた体が寂しくなって。 立ち上がった雪を見上げる。 「……っ、そんな顔すんなよ…」 え? 「帰れなくなるだろ…」 雪のその言葉と同時に引き寄せられ 雪の胸に飛び込んだ。 「……雪…?」 「れる」 こつん、とおでこをくっつけた雪の顔が近くて下を向く。 「れる、こっち見ろ」 そう雪の綺麗な指で顔を上げられた。 「……雪」 どうし…… ─────── 一瞬だった。 瞬きくらい。 時間が止まったと思った。