「……雨、おはよ」 玄関を開けると、キラキラ光る雪と 優しく笑う君がいた。 「紫色……おはよう」 私を見て安心したように私を引き寄せた。 「元気そうでよかった……」 抱きしめて耳元でそう囁く紫色。 「うん、律がそばにいてくれるって思うから」 「……………そっか…」 悲しく笑った紫色は、自分のマフラーを取って私の首にふわっと巻き付ける。 やっぱり、紫色は優しい。 寒がりのくせに…… 「ありがとう」と呟く私の手を握って歩き出した。