「あ、わり」


苦しそうにする私を見てやっと離してくれた。


「もう……バカ」

赤い顔を隠すように律の胸に顔を埋めて服を掴んだ。


「うん、ごめんな」


律は傘を持ちながら片手で私を抱きしめる。


暖かくて、安心する。



律の背中に手を回すと律は少しビクッと肩を揺らして私をぎゅっと抱きしめてくれた。