「じゃあ、俺からお返しってことで」 そんな声が聞こえて顔を上げると ふわりと唇が重なって、 「キス、な?」 妖艶に笑った君は唇を舐める。 一瞬で真っ赤になった私を満足そうに見て 「可愛い」と抱きしめた。 「紫色……っ」 ドキドキして、何かが溢れる。 知りたい、知りたくない。 混乱する。 この感情に、いつも振り回されて。 「雨……好きだ」 溺れる。