雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~



傘も刺さずに玄関から飛び出して
ずぶ濡れになりながらただただ走った。


『うぅ……っ、……』

寒い、なんて感覚はなくて。


悲しくて。

辛くて。

痛くて。




『紫色…っ………し、ぃ』

涙が枯れるまで泣いた。


雨に打たれながら、
どこかもわからずに静かに泣いた。


君の名を呼びながら。


────────
────