「……雨っ…あ、めっ」 痛いくらいに私を抱きしめる紫色は いつもの紫色じゃなくて。 本当の、紫色を見れたような気がした。 「…好きだ、雨」 「うん…」 紫色。 「ただ、そばにいて…っ」 「うん……」 ねぇ、紫色。、 「いなくなんなよ…」 「ここにいるよ」 私は、ここにいるから。 私は君の背中に腕を回して ぎゅっと、苦しいくらいに抱きしめた。 「雨……好きだ…」