「結局、雨はあの日に止まったままなんだよ」 「ずっと後ろを見続けて…前になんて進んでねぇ」 紫色の言葉に涙が零れる。 「紫色に何がわかるの!」 好きだった。 大好きだった。 「やっと、好きだって気付けたのに!」 どうして居なくなるの。 「律のいない毎日なんてつまんなくて!」 「毎日、夜に独りでいると…寂しくて悲しくて苦しくて死にたくなっちゃうの!」 そう言うと紫色はピクッと肩を揺らして 私を強く、抱きしめる。 ───痛いほどに。