【短編】泣き顔記念日



「七瀬さ、豊田のどこが好きなの?」


帰り道、彼女にサラッときいてみる。


「何よ、いきなり。るいに言わないし」


「は、なんでだよ」


僕よりほんのすこし身長が低い彼女を横目で見ると、やっぱり彼女は恥ずかしそうな顔をしていて。


聞かなくてもどれほど好きかがわかってしまう。


「なんとなく。るいも早く好きな人作りなよ〜このままだったら一生独身のままだぜ〜」


そう言って、僕の肩を捕まえて笑った彼女は、やっぱり色気づいていてちょっとムカつく。それなのにドキッとしている自分にはもっとムカつく。