「…七瀬?」 ふと顔を覗き込もうとすると、七瀬はふわふわの髪の毛で、顔が見えないようにしていて。 「…なな─────」 「もう…一回」 彼女が強がりなのも。 「いや、でも…」 「いいから、もう一回!…次はちゃんとやるから…だから────」 彼女が大事なときに素直じゃなくなることも。 1番わかっているのは僕のはずなのに。 わかってあげなくちゃいけなかったのに、 僕は自分ばかりで。 僕は、七瀬の方に近づいてから、座ったまま、七瀬を抱き寄せた。