【短編】泣き顔記念日



それでも、僕に勇気がないせいで、彼女に本当に聞きたいことを聞かないまま、ゲームは始まっていく。


僕はいつも、彼女に負ける。


運動もゲームも。


そのたんびに彼女は笑って「るいは本当ダメだなぁ」なんて言う。



でも、彼女が笑っているなら、それでいいかなんて、今まで七瀬のおかげで、ダメな自分を責め過ぎずにすんだことばかりだ。



でも────────。



今日の七瀬はなんか違う。


3セット目でようやく気づいた僕はどこまでもバカで。


七瀬が「手加減する」なんて言って実際に手加減してくれたことなんてないのに。



今日はもう、七瀬が3回も負けている。



ゲーム中ずっと声が楽しそうだから、七瀬の顔なんて見てなかったけど…。