キラキラしている人がいる



今日の全授業が終了して、クラスメイト達は各自放課後の活動へと移っていく。



陸上部は基本的にほぼ毎日練習がある。



仕方なしに入った部活とはいえ、所属している限りはちゃんと参加しようとしてしまう馬鹿みたいに真面目な性根が時々嫌になる。



荷物をまとめ終わってしまったため、重い腰をあげると教室の後ろのドアのところに、昼に呼び出しをしてきた後輩がいるのがみえた。


誰かに用事だろうか。




「中田、部活かい?」



昼の呼び出しも意味が分からなかったし、話しかけられても嫌だと思い、前のドアから出ようと歩き出すと、途中で小林に声を掛けられた。




教室で事務的な連絡以外でクラスメイトに声を掛けられるなんてめったになかったから、正直少し驚いてしまった。





「そうだけど。」



「何部だっけ?」



「陸上。」



「あーそうだ!めっちゃ足早いよね。」



「そうでもないと思うけど。」



「それは足が遅いあたしに喧嘩売ってるってことでいいのかな?」



「小林に喧嘩売ってもなんにもなんねぇだろ。」



「それもそうだ。短距離?長距離?」



「短距離。」



「じゃあ今度の体育祭も短距離に出るの?」



「いや、陸上部はだめって言われた。」



「え、そうだったんだ。じゃあ何出るの?」



「障害物競争とリレー。」



「短距離はダメなのにリレーはいいんだ!意味わかんないね!」



「というかこの話、この間のホームルームで話し合ってたと思うんだけど、なんで知らないの。」



「……えへ。寝てました。」



「…全然反省してねぇな。そんなんだからリレーのメンバーに選ばれんだよ。」



「ほんと意味わかんねーよね。起きたらリレーのメンバー入りしてたよ!

なんでこんなに鈍足のあたしがリレーなの?!ほかのメンバーほとんど運動部なのに!

あたし調理部だよ?!絶対迷惑になると思うんだけど!」




「ほかに誰もやりたがるやついなかったんだから仕方ねえだろ。寝てた小林が悪い。」