……とにかく先輩を探して届けなきゃ「あ、それ俺の定期」
「うわぁっ」


振り向こうとしたら突然声をかけられた。
そこには結城先輩ご本人が。
なんというタイミングだ。


「あれ?君は確かパーカスの……小湊由那ちゃん?」
「あっ、はい。……名前知ってたんですね」
「まぁね。それより拾ってくれてありがとう」
「いえ……」


うぅ……私は人見知りが激しい。
パートが違うこともあって、結城先輩とはほとんど接点がない。ほぼ初対面みたいなものだ。
話すのは初めてだから緊張してる……。


そんな私の様子を察したのか、先輩はにこって笑った。
先輩はパッと見ちょっと怖いけど、笑うとすごく優しい顔になるんだ。
それを見て私は少し落ち着いた。