「ほら、由那おいで」
その声に誘われるように、私はゆっくりと一歩踏み出した。
あぁそうだ。そもそも先輩には彼女がいるんだったな……。
それなら私が悠介を選べばいい話じゃん。
先輩の恋も邪魔しなくて済むし、悠介を傷つけることもなくなる。
悠介はいい人だし、ずっと一緒にいればいつか好きになれるかもしれない。
「先輩のことなんて忘れちゃいなよ、俺だけ見ててよ……」
……そうだ、今だけ。今だけ我慢すればいい。
悠介を好きになるその日まで。先輩への想いを忘れられるその日まで。
……なんだ、簡単な話じゃん。
覚悟を決めた私は足をはやめようとした。
その時だった。
