そのまま時間は過ぎて、とうとう消灯15分前になった。 「……そろそろ私は戻るから」 「ん?……あぁ、もうこんな時間か」 「あ、上着ありがとね」 「いや、気にすんなって」 「じゃあね、今日はありがとう。おやすみなさい」 うん、私にしては上手く話せた方だ。 なんて、自己満足しながら扉を開けようとした。 その時。 「待って……!」 いつの間に追いついたのか、さっきまで柵のとこにいたはずの悠介がすぐ後ろにいて、ドアノブに置かれている私の手を押さえていた。