「そっか、ちょっと寒いもんね……」
夜景を見れるなら少しの寒さくらい我慢しようと思った私は一言だけ残して柵まで歩いていった。
「ちょっ……待てよ」
ふわっ
「……え?」
「これ、小湊さんのために持ってきたんだけど」
なんと、私の肩には悠介が持ってた上着が。
「え、私の、ため?」
「だっさ……その……女の子は、身体冷やしちゃ、ダメだろ……?」
「なっ……」
な、な、なんだこいつは!?
私のためにわざわざ上着を持ってくるなんて!
なぜだろう。顔が熱い。
これが照れるというものか。
あぁもうこんな時どんな反応をすればいいんだろう。
「あ、ありが……とう」
うん、とりあえずお礼を言わなきゃだから、ね。
「お、おう……」
するとなぜか悠介まで戸惑い始めた。
え、何この状況。
なんか間違ったこと言った?
