「ちょっと、すず!
前に進んでよ!」

後ろからりほに急かされてしまった。

「あ、ごめん!」

そう言って私が前に進むと、止まっていた列が動き出した。

おいしそうな匂いと、楽しそうな話し声。


混んでいる食堂で立ち止まるのは迷惑だってわかってるのに、やっぱり先輩を探してしちゃうんだよね。

先輩はそんなに背が高いわけでもないし、声が大きいわけでもないけれど、なんだかすぐ見つけられる。



だって

好きだから。