コンビニから買ってきたアイスも僅か10分で液体へと化すほどの暑さの中。





私、七支打 芽生菜(ナナシダ メイナ)の部屋で、男女2人がくつろいでいたりする。





当たり前のように私のベッドでぐーすかと寝ている彼は、佐々木 鹿衣(ササキ カイ)。私の彼氏だ。





全開の窓から入ってきた風が、そよそよと焦げ茶の髪を揺らす。
鹿衣の髪を触りたい、という衝動に駆られたが、起こしてしまうといけないのでやめた。





「ん…」




ピクリ、と鹿衣の瞼が微かに震える。




「……起きた?」




「……うん。」




まだ意識はまどろんでいるのか、どこかふわふわした声で返事をする鹿衣。




そんな鹿衣がとてつもなく可愛くて、またふっと笑みが零れる。




「おはよう、鹿衣くん」




「…おはよ」




鹿衣くんは、極上の笑顔で言った。




くっ…今日も鹿衣くんが可愛い。