「お話しとは、なんですか?」


「烝華のことだ」


「また何か?」


「いや、時々会いに行ってやれ
口では、強がって
かっちゃんのこと、何とも想ってねえふうに言うが… 惚れてた
失恋ってのは、結構堪えるもんだからな」


「烝華が、局長に惚れてた?」


「間違いねえよ
今日なんて、必死に避けてたからな」


バレバレやん

そこは、見抜けるんや?


おかしなもんやな




「気に掛けときます」



「しかし、その面は、酷えな」



「すみません」



「気にすんな
お前も失恋したばかりだ
仕事がてら、しばらく町の探索してくれ
報告がなければ自由にしてて構わない」



「わかりました
……ありがとうございます」



身請けとか、色々
ホンマにおおきに!



皆には、厳しく門限守れて、言うのに…




きっと、この人なりに
俺を使うことに罪悪感があるんや


陰に閉じ込めているような


そんな気になるから


自由にさせてくれるんやろな