「え…?」

「最後まで、諦めないで全力で戦った。それだけじゃ…ダメ?」




顔を上げたかと思えば、また涙がにじんでいる。




「センパイ…」




「もちろん、くやしいよ。桜坂に負けて。でも…あんたのバスケは…あんたのインターハイはまだ終わりじゃない」



秋本は、まだ1年。


インターハイという舞台で戦えるチャンスは、まだあと2回もある。



まだ、強くなれる。



「バカッ、泣かないの!!男でしょ!?」



軽く秋本の頭をはたいてやれば、一瞬驚いたような顔をしたけどすぐに笑ってくれた。


そう。それでいい。


“ 強くなりたい ” 。




その言葉は、人の可能性を無限に広げてくれる。