「おはよ、朝から仲良く一緒に登校?」

と、誠君が私たちに聞いてくる。

「下駄箱で会っ……」

「ラブラブなんやねぇ~」

夏樹君が何かを言い終える前に、琴子ちゃんは容赦なく言葉を被せた。

「琴ちゃん、大阪弁可愛い」

「もー、照れるからやめてよ、誠君っ」

見事に夏樹君を無視して、誠君と琴子ちゃんはふたりの世界へと旅立ってしまう。

朝から、元気だな……このふたり。
倦怠期になったり、しないのかな。

純粋に、恋人同士という関係に興味が沸いた。

「俺たちに話しかけたいのか、イチャつきたいのかどっちかにしろよ!」

「どっちもだよ。で、ふたりはいつの間にそんなに仲良しさんになったのかな?」

琴子ちゃんの好奇心に溢れた瞳に、夏樹君はフッと意味深に笑う。