「恋をしてたの……」
「冬菜……っ!」
「あっ……」
夏樹君が、我慢できないと言わんばかりに、強く私を抱きしめた。
私より大きな夏樹君の体に、すっぽりと収まる。
まるで、ここが初めから、私の居場所だったみたいに、世界中のどこよりも安心できた。
「好きだ……好きだ、好きだ!」
「な、夏樹君!?」
突然、夏樹君は私を抱きしめたまま叫ぶ。
恥ずかしい……でも、なんて幸せなんだろう。
誰かに求められる幸せを、私は今初めて知った。
「今までずっと、伝えちゃいけねーと思ってたから、言い足りなくて、お前への好きが溜まってんだよ!」
好きの気持ちが溜まるって……。
「ふふっ」
その言い方が面白くて笑うと、夏樹君は私を抱きしめる腕に力を込めた。


