「あの時から、冬菜の声が聞きたくて、笑ってほしくて、必死にプレゼントを考えた。絨毯に寝転んだ時の冬菜のフワッて笑った顔が忘れられなくてさ」
「あの時、私が笑えてたのは、きっと夏樹君のおかげだよ」
「でも、悲しませたのも俺だ。だから、これからはその笑顔を守らせてほしい、駄目か?」
駄目かって聞き方……ズルいなと思う。
胸が、ときめいてしまう。
顔が赤くなってないか、心配になるほどに、君に翻弄される。
「冬菜の気持ち、教えてくれ」
「…………」
私は夏樹君が好き、だから答えは決まってる。
私は深呼吸をして、もう一度大きく息を吸い込んだ。
もう、私の心を捕らえる枷はどこにもない。
――今、君に伝えよう。


