春が来たら、桜の花びら降らせてね


「俺は、冬菜が好きだ」

「つ……!」

私のことが……好き?
聞き間違いだったら、どうしよう。

不安になって、夏樹君を見上げれば、偽りのない瞳に捕らわれる。

「誰にも譲りたくねぇ、俺が自分の手で幸せにしてやりたい、たくさん笑顔にしてやりたい」

「な、夏樹君……」

「昔、冬菜に桜の絨毯作ってやったの、覚えてるか?」

「あっ……!」

あれって、夏樹君だったんだ……!

覚えてる、あの辛い時間の中で、唯一残る幸せな時間。

でもその後、夏樹君に突き放されたのがショックで、それを誰が作ってくれたのかは、忘れてしまっていた。