春が来たら、桜の花びら降らせてね


「そっか……私、この場所が悲しいだけの場所じゃなくなったから……」

「冬菜……そっか、ここは俺たちの始まりの場所だからな」

そう、ここは始まりの場所。

交わらない2人の道が交わり、新しい出会いの道が繋がり、私の世界は広く、光に溢れていく。

やっと、あの暗闇の世界から出られたんだ、君とふたりで。

「俺は罪人だから……」

「え?」

夏樹君の声が、視線が、真剣なものに変わる。
両肩に手を乗せられて、私はゆっくりと夏樹君を見上げた。

「俺みたいな最低な男より、冬菜のことをもっと大切にしてやれるような、そんな男と一緒になるべきだって思ったこともあった」

「え……夏樹君、なんの話をして……」

「でも」

夏樹君の瞳に、胸を射貫かれたような気がした。
ドクドクと、心臓が鼓動を加速させる。

息苦しい、なのに……嫌じゃない、どうして。
心に生まれるたくさんの感情の波に、押し流されそうになる。